ピーナツのみんなに 谷川俊太郎
ライナス
毛布は永遠だ
ぼくらはみんな身に覚えがある
毛布の代わりの貯金通帳
毛布の代わりのおふくろの味
カボチャ大王*だって永遠だ
ぼくらはみんな身に覚えがある
真夜中に夢が本物の涙を流させること
真っ昼間に夢が奇跡をもたらすこと
ペパーミントパティ
世の中はほんの少ししか変わらない
きみが居眠りしてる間に
だからきみは安心してられる
あらゆる科目に落第点をとったって
生きることの喜びと楽しみに落第点はない
きみの無知がきみの力
谷川 俊太郎
『魂のいちばんおいしいところ』
*ライナスはハロウィンには「カボチャ大王(The Great Pumpkin)」が
子どもたちにプレゼントを配って回ると信じています.
だれでも 幼いころに
ライナスの“安心毛布”みたいなものを もっていたはず
枕カバーのはじっこだったり 細長いぼろきれだったり
じぶんのにおいのしみついた それを鼻先でかぐと
安心してねむりにおちていけた…
洗濯されて じぶんのにおいがおちると
ひどくがっかりしたのを おぼえていますか?
おとなになると
“安心毛布”は いろんなものに化けるので
正体がわかりにくくなります
アルコール たばこ あまいもの…
そして歳をとると かなしいことに貯金通帳
でもね
“安心毛布”は無理に手放そうとほうりなげると
ブーメランのように帰ってくるんです
鎧(よろい)におおわれたこころと おもわくでいっぱいのあたまのなかから
抜けだせたなら
もういちど
真夜中にほんものの夢をみて 涙にくれたり
白昼でも 夢が奇跡をもたらすことを 信じられるようになるでしょう☆

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